消費者庁は26日、商品やサービスを「顧客満足度No.1」などと宣伝する広告の実態調査の結果を公表した。消費者の半数は「No.1」表示が購入意思に「影響する」と回答した。同庁は購買行動に与える影響は大きいとしている。
多くの広告主が満足度を問う調査を別会社に委託し、手法や対象を把握していないことも判明。同庁は広告主自身が表示根拠を確認するよう求めた。
消費者庁は2023年度、合理的な根拠がなく「満足度No.1」などと表示する広告表示に対し、景品表示法違反で13社に措置命令を出した。実際にサービスや商品を利用したかを問わずに、印象を尋ねるイメージ調査を根拠に表示する例が目立つ。相次ぐ違反事例を受け、3月から実態調査に乗り出していた。
消費者1000人を対象に「顧客満足度No.1」などの表示について認識を尋ねたところ、4割超が「同種の他社商品と比べ、優れていると思う」とした。「実際の利用者に調査をしていると思う」と回答した消費者も4割を超えた。
学習塾や結婚相談所、不動産関連などの広告主15社にヒアリングした。調査会社やコンサルティング会社から「No.1をうたっていないと、同業他社に比べて不利になる」などと勧誘を受け、表示している企業が複数あった。「不当表示のリスクは無いようにする」と調査の適法性を強調する勧誘もあったという。
調査手法や質問項目のほか、比較対象として選定された競合他社など、調査の具体的な内容を把握している広告主は15社中1社しかなかった。
消費者庁は比較対象となる商品や調査対象者の適切な選定のほか、公平な調査方法などが「No.1表示の合理的な根拠として必要」との景表法上の考え方も示した。
高居良平・表示対策課長は「『イメージ調査の結果』と記載していたとしても、満足度は利用者以外の調査では測れず、景表法上の問題となりうる」と強調した。
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