IHI原動機による燃費データ改ざん問題を受け検査のため群馬県太田市の工場に入る国交省の職員ら(25日午前)=共同

国土交通省は25日、IHIの子会社であるIHI原動機(東京・千代田)が船舶用や陸上用のエンジン燃費データを改ざんしていた問題を受け、新潟市にある新潟内燃機工場と、群馬県太田市の太田工場に立ち入り検査をした。船舶安全法に基づく検査で事実関係を確認する。

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IHIは、立ち入り検査を受け「今回の事態を重く受け止めている。真摯に協力し、対応する」とコメント。「今後は監督官庁の指導を仰ぎながら再発防止に努めたい」との考えを示した。

IHIによると、改ざんは新潟内燃機工場で1980年代後半から、太田工場は2001年から行われていた可能性がある。データが確認できる03年以降だけで国内外に出荷された計4361台に上る。

IHIの盛田英夫副社長は24日に記者会見し「深くおわび申し上げる」と謝罪した。改ざんは性能に影響するものの、安全性への疑義は確認されていないとした。

改ざんしたのは試運転時の計測データ。納入する際に数値を良く見せるなどしていた。データは既に是正し、出荷を続けていると説明した。

納入先には海上保安庁やJR北海道が含まれている。各都道府県が保有する漁業練習船にも搭載されたとみられる。

24年2月下旬にIHI原動機の従業員から内部告発があり発覚した。

IHIを巡っては、19年にも航空機エンジン部品の製造工程で不正な検査が見つかった。〔共同〕

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