自民党派閥の政治資金規正法違反事件で、同法違反(虚偽記入)の罪に問われた旧安倍派の会計責任者、松本淳一郎被告(77)の判決公判が30日、東京地裁であった。細谷泰暢裁判長は禁錮3年、執行猶予5年(求刑禁錮3年)の判決を言い渡した。

一連の事件では旧二階派の当時の会計責任者の執行猶予付き有罪がすでに確定しており、正式裁判が開かれた派閥側の判決は出そろった。

これまでの公判で松本被告側は、起訴内容を大筋で認める一方、派閥の政治資金パーティー券の販売ノルマ超過分のうち所属議員が派閥に納めず手元にプールしていたものは「認識していなかった」として不記載額を争っていた。

販売ノルマ超過分を政治資金収支報告書に記載しない運用は長年の慣習のため、松本被告の意思で見直すことは困難だったとも主張した。

検察側は論告で、旧安倍派ではかねて販売ノルマ超過分を所属議員に還流し、政治資金収支報告書に計上していなかったと指摘。松本被告も虚偽記入の行為自体を明確に認識しており、具体的な記載内容を把握していなかったとしても罪が成立するとしていた。

起訴状によると、松本被告は2018〜22年の派閥の収支報告書に計約6億7000万円の収入と支出をそれぞれ記載しなかったとされる。

事件では24年1月、旧安倍派と旧二階派、旧岸田派の当時の会計責任者や国会議員ら計10人が規正法違反罪で起訴・略式起訴された。8月には旧安倍派の堀井学元衆院議員が公職選挙法違反罪とあわせて略式起訴されている。

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