東京、名古屋、大阪の3大都市圏を結ぶ東海道新幹線は10月1日、開業から60年を迎える。昭和、平成、令和の時代を走り続け、日本の大動脈として、累計約70億人の乗客を運んできた。
東京オリンピックの開幕を9日後に控えた1964年10月1日午前6時、「ひかり1号」が東京駅を、「ひかり2号」が新大阪駅を発車した。当時としては世界最高の時速210キロを実現し、在来線で約7時間かかっていた東京―大阪間を4時間に短縮した。
「夢の超特急」は日本の高度経済成長期の人々の足を支えた。平成に入り、開業から半世紀の2014年には乗客数は累計56億人に到達。翌15年のダイヤ改正で最高時速285キロでの営業運行が始まり、令和の時代に突入すると東京―大阪間の最速所要時間は2時間21分に。
一方、新型コロナウイルス禍で20年4月の客足は前年同月比で9割落ち込むなど開業後最大の危機に見舞われた。22年5月からは、コロナ禍で広がったテレワークに対応できる個室ブースを導入。23年5月に新型コロナが感染法上の5類に移行すると、乗客数もコロナ禍前の水準に回復し、同年8月には1日当たりの運行本数は過去最多の471本を記録した。
JR東海の丹羽俊介社長は9月4日の定例記者会見で、東海道新幹線が開業60年を迎えることについて「コロナ禍を経て、働き方やインバウンド(訪日外国人客)などさまざまな環境の変化に対応していくことが(東海道新幹線を)進化させていく上で大事だ」と強調。大規模災害時の備えとして導入を目指すリニア中央新幹線にも触れ「リニアが開業した暁には東海道新幹線と一体となって、日本の大動脈をさらに強くしていく」と意欲を語った。【真貝恒平】
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