駅前にできた人だかり。カメラの先にあったのは閉店間近のイトーヨーカドーでした。
29日に46年の歴史に幕を下ろしたのは、千葉・習志野市のスーパー、イトーヨーカドー津田沼店。
最後の営業日。店の前には、開店前から50人以上の客が列を作りました。
閉店に駆けつけた客からは「イトーヨーカドーのハトマークの取っ手を押して中に入っていたので、それがもう押せなくなるので、本当に寂しい」といった声が聞かれました。
1977年に開店したイトーヨーカドー津田沼店。
当時、付近にはマルイや高島屋などの大型店が相次いで出店し、“津田沼戦争”と呼ばれるほどの激戦が繰り広げられました。
イトーヨーカドーは、当時から営業する中で最後の店舗です。
津田沼店最後の日となった29日、店内は人でごった返しショッピングカートがずらりと並んでいました。
売り場の至る所に、閉店売り尽くしの貼り紙があり、空になった商品棚も多く目につきました。
閉店に駆けつけた客は「(イトーヨーカドー津田沼店は)小さい頃からなくてはならない存在で、いつもあったので、きょうは泣きそうな感じで寂しい」と話しました。
46年、続けてきた店舗。詰まっているのは地元住民のたくさんの思い出です。
船橋市前原商店会・大塚智明会長は「初めて見たウーパールーパーは、イトーヨーカドー(津田沼店)の動物売り場だった。そんな思い出がある」と語りました。
そして訪れた閉店の時間。常連客の目に光る涙。
「開店の時から両親と来るのが家族のイベントで、ここでお子様ランチを食べた。イトーヨーカドー(津田沼店)は人生そのもの」だといいます。
開店から閉店まで9時間もの間、思い出の写真を撮り続けたという男性もいました。
男性は「僕の青春時代が終わった。次から津田沼に来たらどうすれば…」と話しました。
名残惜しい客は、閉店時刻を過ぎた後も感謝の拍手を送ります。
しかし、帰るように促されても客の足はなかなか動きません。
さらに別の出入り口では、多くの客がシャッターの下りる歴史的な閉店の瞬間を見守っていましたが、店の担当者が「恥ずかしいお話ですが、左側のシャッターは故障のため、閉まらない状態となっております。恥ずかしいお知らせで申し訳ございません」と、“閉まらないシャッター”に関する知らせが締めの挨拶となりました。
イトーヨーカドーは2025年度までに33店舗が閉店することになっています。
閉店ラッシュは、イトーヨーカドーだけではありません。
29日、北海道・札幌市内にあるスーパー西友の4店舗が閉店しました。
通い慣れた多くの客が最後の営業を見届けようと訪れました。
閉店に駆けつけた客からは「涙が出そう。(西友は)何回も利用していて、すごく思い入れがあった。最後に来られて良かった」といった声が聞かれました。
さらに北海道では、30日に5店舗が営業を終え、道内全ての店が閉店することになります。
閉店した西友の店舗は、イオングループに事業が引き継がれ、10月以降順次オープンする予定です。
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