東京都国分寺市と埼玉県所沢市で9月30日早朝と10月1日未明に、男性数人が住宅に押し入り、住人にけがをさせた強盗致傷事件があった。捜査関係者によると、国分寺市の現場から逃走したとみられる車が、所沢市の現場近くで見つかった。警視庁と埼玉県警は連続強盗事件とみて調べている。
県警によると、1日午前2時10分ごろ、所沢市北野新町2の住宅で、男性数人が1階勝手口の窓ガラスを割って侵入し、現金8万円などを奪って逃走した。住人の男性（85）と妻（83）が手足などを粘着テープで縛られ、刃物で切りつけられるなどして軽傷を負った。
警察官が駆けつけると男らは逃走。県警は住宅から約100メートル離れた路上で、40代ぐらいの男性1人を強盗致傷容疑で現行犯逮捕したほか、現場近くで男性2人の身柄を確保した。ほかに逃走した人物もいるとみられ、県警が行方を追っている。
捜査関係者によると、逮捕された男性らは事件への関与をほのめかし、「秘匿性の高い通信アプリを使って、仕事を受けた」という趣旨の供述をしているという。県警はSNS（ネット交流サービス）を通じた緩やかな結びつきで離合集散を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ（トクリュウ）」とみて調べている。
また警視庁によると、9月30日午前4時ごろ、国分寺市西恋ケ窪3の住宅に男性4～5人が押し入り、住人の60代女性の顔などをハンマーのようなもので殴り、粘着テープで縛って逃走した。女性は負傷したが、命に別条はないという。警視庁は強盗致傷事件として調べている。
男性らは「金を出せ、殺すぞ」と女性を脅し、その際、1人はスマートフォンで通話していたという。室内には物色された形跡があり、警視庁は男性らが何者かの指示を受けながら金品を探していたとみている。所沢市の事件のように住宅1階の勝手口の窓が割られており、ここから侵入したとみられる。
捜査関係者によると、国分寺市の事件では、容疑者らが2台の車に分乗して現場から逃走したとみられる。このうちの1台と特徴の似た車が、所沢市の事件があった住宅近くで見つかったという。所沢市の事件では、他県ナンバーの車両やレンタカーが使用されたとみられる。
また、東京都内では9月28日未明にも練馬区の住宅に男性数人が押し入り、住人の親子がバールのようなもので殴られる強盗事件が発生。警視庁は実行役ら3人を強盗致傷容疑で逮捕し、現場から逃走した2人の行方を追っている。【岩崎歩、安達恒太郎】
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