京都府警東山署員らが通行人に交通安全を呼び掛けた=12日、京都市東山区

京都・祇園で平成24年、軽ワゴン車が暴走し通行人7人が死亡した事故は12日で発生から12年となった。近くの寺では犠牲者をしのぶ法要が営まれたほか、現場交差点では京都府警による啓発活動が行われた。新型コロナ禍が収束し国内外の観光客で府内がごった返す中、改めて交通安全の尊さをかみしめる1日となった。

この日、京都市左京区の檀王(だんのう)法林寺であった法要には、境内にある保育園の園児や地元関係者ら約60人が参列。信ケ原雅文(しがはらがぶん)住職(69)らが読経する中、犠牲者を供養する地蔵の前で静かに手を合わせた。

犠牲者をしのび営まれた法要=12日、京都市左京区

信ケ原住職は「悲しみは続いている。交通事故が少なくなることを願う」と話した。事故当時の地元商店街組織の会長で、現場にも居合わせたという秋山敏郎さん(77)は「こうしたことが二度とないようにと手を合わせた」と語った。

事故発生時刻の午後1時すぎには、現場となった交差点で府警東山署員ら約15人が黙禱(もくとう)。続いて署員らは通行人にポケットティッシュや啓発チラシを配布し、交通安全を呼びかけた。

ポケットティッシュを受け取った同府宇治市の自営業、山田力三さん(67)は「自分も車に乗るので安全運転に気をつけたい」。東山署の越村尚(たかし)交通課長は「国内外からの観光客も戻り交通量の増加を感じている。悲惨な事故を忘れることなく事故防止に邁進(まいしん)したい」と話した。

事故は平成24年4月12日午後1時ごろに発生。てんかん発作を起こしたとみられる当時30歳の男が運転する軽ワゴン車が暴走し、通行人ら計19人をはねた。男も死亡した。(荻野好古)

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