2日午前8時前に、宮崎空港の駐機場と滑走路を結ぶ誘導路で、爆発が起きました。

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隣接する航空大学校に設置されたカメラの映像を見ると、爆発と共に大きな土煙が上がり、破片のようなものが飛び散っている様子が確認できます。

爆発で誘導路の一部が陥没し、飛散物が400mにわたって散乱。楕円形の陥没は、長いところで7m、深さは約1mに及んでいるといいます。

滑走路は閉鎖され、全ての便が欠航。空港は、突然の予定変更を迫られた人で、ごった返しました。

富山へ行く予定だった人:
困りますね…何とか今日中に帰りたい。

富山へ行く予定だったという家族は、陸路で約3時間かけて鹿児島へ向かい、そこから富山に向かうことにしたといいます。

羽田空港 欠便の案内を受けカウンターに並ぶ人々

遠く離れた東京でも、宮崎に帰れず困り果てた家族の姿が…。

宮崎へ帰ろうとしていた家族:
私はきょうまで仕事休みもらっていたけど、明日からは出ないといけないから、(息子は)学校行かないと行けなくて。きょうはもう飛ばないということで、鹿児島空港か熊本空港の予約のキャンセル待ちみたいなので待っている。

鹿児島空港行きは満席だったものの、なんとか大分空港行きの航空券を手に入れたといいます。

宮崎へ帰ろうとしていた家族:
(チケット)取れました、大分まで行って何とかします。鹿児島はなかったみたい。(宮崎着は)なんとか夜中だけど。

原因は“不発弾” 他にも埋まっている可能性も

10月2日の1日だけで約6000人に影響を及ぼした爆発。その原因は驚くべきものでした。

国土交通省 宮崎空港事務所 加藤浩介空港長:
現場を確認したところ、原因が「不発弾」によるものと判明しました。
現状報告を受けている内容によりますと、米国製の500ポンド(約230kg)爆弾であると。

――なぜ爆発したのか原因は?
現状では分かりません。

2011年の不発弾処理の様子

現在、宮崎空港があるのは、かつて旧日本海軍の飛行場があった場所。太平洋戦争末期には、空港の周辺に、大量の爆弾が投下されていたといいます。
宮崎空港では、これまでにもたびたび不発弾が見つかってきましたが、爆発したのは今回が初めてです。

爆発した原因について、軍事ジャーナリストの井上和彦氏は、こう推測します。

軍事ジャーナリスト 井上和彦氏:
(8月に)宮崎で起きた地震が影響しているのではないかと推察されます。不発弾の姿勢が変わって、起爆装置に何らかの外的な力が加わって爆発したのではないかと。
あるいは、航空機の離着陸、こういった振動が要因の一つだと考えられます。

爆発により陥没した誘導路は、2日の午後7時半ごろに埋め戻しが終了し、機材繰りでの欠航便を除き、始発便から運航が再開しています。

空港のどこかに、まだ不発弾がある可能性も残る中、再開を判断した理由について、国交省は…。

国土交通省 宮崎空港事務所 加藤浩介空港長:
空港全体を再確認するやり方も一つあるかもしれませんが、利便性というバランスを考えまして、陥没した部分の埋め戻しが完了でき次第、空港の運用を再開したい。

――空港全体の安全確認を待たずに再開?
基本的には、整備が行われた箇所については、安全性は問題ないと考えています。

今後は、空港全域の調査の必要性を検討していくとしていますが、まだ不発弾が埋まっているかもしれない状況での空港再開に専門家は…。

軍事ジャーナリスト 井上和彦氏:
米軍の攻撃がちょうど沖縄戦を前に行われているんです。この滑走路の両脇に掩体壕(えんたいごう)と呼ばれる飛行機を格納していく防護シェルターのようなものがあったわけです。そこに多くの爆弾が投下されていますので、さらに多くの不発弾が出てくる可能性はあると思います。
(「めざまし8」10月3日放送より)

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