福岡市の繁華街で覆面パトカーを装った車で事故を起こし4人にケガをさせたとして危険運転致傷の罪などに問われている男2人の裁判で、福岡地裁は3日、2人に執行猶予付きの判決を言い渡しました。

今年2月、福岡市天神で、客を乗せたタクシーが通称・国体道路を走行し、青信号の交差点を直進しようとしたところ、信号を無視してきた車と衝突。

ドライブレコーダーに映ったその車をよく見ると赤色灯が点滅しています。

覆面パトカーのように見えますが、実はニセ物。

この事故で、タクシーの運転手と乗客あわせて4人がケガをしました。

その後、覆面パトカーを装った車を運転していた本村陸被告(24)と、助手席に乗っていた仰木康汰被告(26)が危険運転致傷などの罪で起訴されていました。

緊急走行中のパトカーを撮影するのが趣味だという2人。

ニセの覆面パトカーで本物のパトカーを追跡する“緊急走行ごっこ”を約10回も繰り返していたといいます。

3日、福岡地裁で開かれた判決公判で、田野井蔵人裁判官は「浅はかにも緊急車両の真似事をした被告人の運転が危険極まりないことは明らかだ」などと指摘。

本村被告に懲役2年2カ月・執行猶予5年、仰木被告に懲役2年、執行猶予5年の有罪判決を言い渡しました。

その上で裁判官は「今後も緊急車両などを撮影する趣味を続けるのであればルールを守ってほしい」と諭し、2人は頷きながら耳を傾けていました。

今回の裁判では、被告の2人が事故を起こすまでの経緯も裁判で明らかになりました。

本村被告と仰木被告は元々、2人ともパトカーなど緊急車両を撮影するのが趣味で、約10年前にSNSを通じて知り合い、2年ほど前から頻繁に会うようになりました。

そして、自分たちの車を改造してニセの覆面パトカーを作り上げ、公道を走行しながら他の車に道を譲らせたり赤信号を無視したりして、本物のパトカーを追跡するようになったということです。

裁判官は「周囲の迷惑や警察活動への悪影響も顧みない自己中心的な犯行」と厳しく指摘しています。

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