台風18号は、4日午前熱帯低気圧に変わったものの、日本列島にかかる秋雨前線を刺激し大気は不安定な状態になっています。
各地で竜巻や落雷などが発生する可能性などについて、矢澤気象予報士が解説します。
4日午後4時半現在の雨雲レーダーを見ると、北海道から東日本そして近畿、東海にかけて雨雲が延びていて、前線が連なっています。
九州や沖縄のほうまで雨雲が連なっています。
各地、この後も東日本や北日本中心に大気の不安定な状態続きますので、急な雨の強まりに注意が必要です。
全国のお天気カメラの様子を見ていきます。
まず、北海道・札幌市はこの時間、雲に覆われあたりは暗く、見通しが悪くなっています。
雨雲がかかっていますので、この後も雨や強風に注意が必要です。
続いて宮城・仙台市の様子です。
現在はぱらつく程度ですが、この後雨脚が強まる予想で、午後7時ごろまでにピークを迎える可能性があります。
天気の急変に注意してください。
さらに強い雨だけではなく、竜巻のような突風の影響も心配されます。
3日は、浜松市で竜巻とみられるような突風が発生し、屋根が吹き飛んだり、車が飛ばされるなどの大きな影響が出ました。
――当時、何が起きていたのでしょうか?
3日午後5時30分の雨雲レーダーを見ると、静岡県、愛知県などに活発な雨雲がかかっているのが分かります。
ちょうど秋雨前線が静岡県の近くにかかっており、前線に向かってどんどんと南から暖かく湿った空気が流れ込む状況が続いていました。
風の動きも重ねて見てみますと、南風がどんどんと吹き込んでいて、浜松市のあたりで風が強まっていたとみられます。
南から大量の水蒸気も同時に流れ込んでいたことから、大気の状態が不安定となっていました。
そして内陸部に入ると少し風が弱まります。すると風がここで一気に集まっていくことになります。
そして上昇気流が発生・発達し、積乱雲が発達したという形です。
――今回が街中に発生したようですが、そもそも竜巻はどのように発生するんでしょうか?
竜巻は発達した積乱雲の下にできるもので、地表付近にある空気が集まってきて上昇気流が発達し、少しずつ渦を巻きます。
すると、雲からどんどんと雲が垂れ下がってくることで、地面につくと、竜巻となるのが一般的なメカニズムです。
――竜巻が来る前兆にはどういったものがあるのでしょうか?
まず、急に冷たい風が吹いてくる時です。
これは、積乱雲から上空の低い温度が流れ込んでくることで、急にひんやりした風が吹いてきます。
そして黒い雲が近づいてきて、空が黒っぽくなってきたら天気急変のサインです。
更に、雷鳴や雷光が見えている時も注意が必要となります。
このように竜巻の前兆を感じたら、コンクリート製の頑丈な建物、そして建物のなるべく中心部に避難するようにしてください。
窓ガラスの近くなどは危険なため、カーテンを閉め、建物のなるべく中心部で竜巻が過ぎ去るのを待つようにしてください。
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