不動産取引をめぐる21億円の横領事件で罪に問われた男性が、その後の裁判で無罪となった冤罪事件。
4日、当時の主任検事が刑事告発された。
■弁護団「個人の問題ではなく特捜部全体 組織としての問題」
この記事の画像(6枚)4日朝、大阪高等検察庁に告発状を提出した後、関西テレビの取材に応じた、「プレサンスコーポレーション」元社長冤罪事件の弁護団。 日本の検察への危機感を口にした。
「プレサンスコーポレーション」元社長の代理人 中村和洋弁護士:今回の問題は、個人の問題ではなく特捜部全体、蜂須賀検事を含めた組織としての問題だと思う
■判決で特捜部の取り調べについて「厳しい指摘」
不動産会社「プレサンスコーポレーション」の元社長・山岸忍さんは、土地取引をめぐり、部下らと共謀して21億円を横領したとして大阪地検特捜部に逮捕・起訴され、その後の裁判で無罪が確定。
判決の中で裁判所から厳しい指摘を受けたのは、大阪地検特捜部が行った取り調べだった。
(以下、弁護団監修のもと再現した内容)
<検察官が右手を自分の顔のあたりまで振り上げ、振り下ろし手の平で机を1回たたく>
検察官:嘘だろ!今のが嘘じゃなかったら何が嘘なんですか!
検察官:もう起訴ですよ、あなた。っていうか有罪ですよ、確実に」
検察官:命かけてるんだよ!検察なめんなよ!命かけてるんだよ、私は
取り調べを行った検事に対しては今年8月、大阪高裁が、「虚偽供述が誘発されかねない危険性の高いもので、今後繰り返されないようにすべき」として刑事裁判に付すよう決定を出している。
■当時の主任検事を偽証疑いなど刑事告発 「机をたたいて怒鳴る」一度は否定も
こうしたことを受け、4日、山岸さんは当時捜査を指揮していた、大阪地検特捜部の主任・蜂須賀三紀雄検事についても、特別公務員職権濫用や偽証などの疑いで大阪高等検察庁に刑事告発した。
今回、蜂須賀検事が告発された「偽証」の疑い。
発端はことし6月に開かれた裁判で自らがした証言だった。
尋問の中で部下が行った取り調べと同じことを自分もしたことがあるかと問われ、明確に否定した蜂須賀検事だったが、そのわずか4日後の裁判で蜂須賀検事が過去に「机をたたいて怒鳴る」取り調べをしたと自ら語った裁判の記録が提示された。
それを受け発言を翻したことが偽証にあたると指摘している。
山岸さんの代理人 秋田真志弁護士:(2人の検事の)取り調べは瓜二つなんですよね。机たたく、大声を出す、そして見立てにそった供述を強要する。それが検察庁の、特捜部のやり方であって、そのこと自体に根本的な反省がない現状を放置することは出来ない
告発について大阪地方検察庁は、「内容について把握していないのでコメントは差し控える」としている。
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