米海兵隊が今月上旬から来年8月にかけ、無人艇(ALPV)1隻を県内に一時展開し、本島沿岸付近で試験運用することが4日、分かった。沖縄防衛局が同日、県に計画を伝えた。ALPVの国内展開は初。那覇港湾施設(那覇軍港)を拠点に物資の補給活動を行う。県は基地負担が増すと反発している。

 防衛局の資料によると、ALPVは全長約19メートル、幅約2・5メートル、基準排水量約8・3トン。現時点でミサイルや弾薬を輸送する計画はない。金武町のレッドビーチ、うるま市のホワイトビーチ、伊江島補助飛行場の西海岸区域も活用する。

 無人艇の活動時は有人のボートが随伴するなど、安全措置を講じる。県によると、一時展開に伴い軍属が5人増えると防衛局から説明があった。一時展開後の計画は未定という。

 玉城デニー知事は同日、那覇軍港に新たな機能を加えるものだとして「一方的で納得できる説明ではない。沖縄に基地が集中しているが故だとしか考えられない」と反発した。

 海兵隊は小規模部隊を島しょ部に分散させる「遠征前方基地作戦(EABO)」戦略を掲げている。無人艇の展開は後方支援能力を強化する狙いがある。(政経部・嘉良謙太朗、東江郁香、東京報道部・新垣卓也)

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