メインスタンド前でポーズを決める福岡県の選手ら(中央)=佐賀市で2024年10月5日午後3時23分、金澤稔撮影
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 国民体育大会(国体)から名称を変更して初めての本大会となる「SAGA2024国民スポーツ大会(国スポ)」の総合開会式が5日、佐賀市のSAGAスタジアムで、天皇、皇后両陛下が出席されて開かれた。選手らの入場は、従来の隊列を組んだ方式からパフォーマンスを披露する形に様変わり。開催のあり方を巡って議論も進む中、新たな試みを取り入れたスポーツの祭典を観客約8900人が見守った。大会は15日まで。

 佐賀県での開催は1976年に続き2度目。選手ら計約2800人は、子どもから高齢者まで幅広い年代のパフォーマーがスタジアム内を盛り上げる中、都道府県ごとに登場し、メインスタンド前でご当地キャラと一緒に踊ったりポーズを決めたりして地元をアピールした。佐賀県の山口祥義知事は「全ての人にスポーツの力を。国体から国スポに変わる新しい大会をみんなでつくっていこう」と開会を宣言した。

 天皇陛下はおことばで「新たな国民スポーツ大会の幕開けとして、ここ佐賀の地で、県民の皆さんをはじめ、多くの人々に支えられて開催されるこの大会が、長く心に残る、実り多いものとなることを期待します」と述べた。

 佐賀での大会は「新しい大会へ。」をテーマに、初めての試みとして、レスリング、バスケットボールなどでナイトゲーム、競技ごとの最優秀選手(MVP)表彰、全試合の動画配信などを展開し、観戦の楽しみを広げる。また、総合開会式会場のスタジアムは屋根の設置をやめて経費節減を図り、競技会場の一つ、SAGAアリーナは、大会後の利活用まで見据え、多目的利用を可能とする設計とした。

 国スポを巡っては、46年に「国民体育大会」として始まったが、都道府県持ち回りの開催が2巡目の終盤に差し掛かる中、開催地の過大な負担を指摘する声が噴出。全国知事会は8月、毎年の開催を続けつつ、複数都道府県での広域開催を可能とするなど今後の開催のあり方について意見をとりまとめた。9月には、国スポを共催する日本スポーツ協会が設置した有識者会議が開かれた。会議は2025年度末までに持続可能な大会開催に向けた提言を示す予定。【五十嵐隆浩、山田奈緒】

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