1966年に静岡県で一家4人が殺害された事件で死刑とされた袴田巌さん(88)の再審で無罪判決が確定したことを受け、警察庁の露木康浩長官は10日の定例記者会見で「警察庁としても重く受け止めている」と述べた。
露木長官は事件を捜査した静岡県警から「可能な範囲で改めて事実確認を行うと報告を受けた」と明らかにした。その上で「警察庁としても教訓とする事項があればしっかり受け止め、よりいっそう緻密かつ適正な捜査に取り組んで参りたい」と話した。
再審で静岡地裁判決は検察側が有罪立証の柱とした「5点の衣類」などの証拠について、捜査機関による捏造(ねつぞう)と認定。検察が9日に上訴権を放棄し無罪が確定した。県警の津田隆好本部長は9日、「長きにわたって法的地位が不安定な状況に置かれてきたことについて申し訳なく思う」と袴田さんへの謝罪の言葉を述べた。
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