前橋地検は11日、今年5月に群馬県伊勢崎市で家族3人が死亡した事故で起訴したトラック運転手の鈴木吾郎被告(70)について、自動車運転処罰法違反の過失致死傷罪から、より量刑の重い危険運転致死傷罪への訴因変更を前橋地裁に請求した。理由を「捜査を続け、アルコールの影響で運転していたことを認定した」と説明した。変更を求めていた遺族は「ほっとした」とコメントした。

群馬県警は8月、酒を飲んで正常な運転ができない状態だったとして危険運転致死傷容疑で逮捕した。地検は9月10日に過失致死傷罪で起訴。遺族は「明らかに過失ではない」と訴えていた。今後、地裁が請求を認めるかどうか判断する。

亡くなったのは群馬県渋川市の塚越正宏さんと、息子で前橋市に住む寛人さん、孫の湊斗ちゃん。寛人さんの妻は弁護士を通じ「裁判でどのような結論になるか分からないので、最後まで見届けたい」との談話を出した。正宏さんの妻と寛人さんの兄弟は連名で「いまだに加害者からの謝罪がないのは残念。命の重さを考えてくれることを願う」とのコメントを出した。

変更請求した起訴状によると、鈴木被告は5月6日、運転開始前に飲んだアルコールの影響により的確な操作が困難な状態でトラックを運転し、法定速度を超える時速90キロまで加速。対向車線にはみ出して乗用車と衝突し家族3人を死亡させたほか、別の乗用車の女性に軽傷を負わせたとしている。鈴木も負傷した。〔共同〕

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