ノーベル平和賞に決まった日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)の代表委員、箕牧智之さん(82)は13日午前、広島平和記念公園の原爆慰霊碑を訪れ、かつて活動をともにした同志や犠牲者らに受賞を報告した。
慰霊碑には広島県被団協の幹部らと足を運び、「核廃絶を諦めません」などと記されたメッセージとともに献花。その後の取材に「ここに眠る34万人が核廃絶を訴えてきたおかげで受賞につながった」と語った。そのうえで「まだ核兵器はなくなっていない。これからも道は険しいが訴え続けなければならない」と決意を新たにした。
「ノーモア・ヒバクシャ」の合言葉のもと被団協の活動を長年けん引してきた前代表委員、故坪井直さん(2021年に96歳で死去)を念頭に「元気なうちに受賞したかった」としつつ「天国でも(口癖だった)『ネバーギブアップ』と言っているはず。胸が引き締まる思いだ」と述べた。
坪井さんは核不拡散条約(NPT)再検討会議が開かれた10年に米ニューヨークで体験を語るなど各地を巡り、核廃絶へのメッセージを世界に広げた運動の象徴的存在。16年には広島を訪問したオバマ大統領(当時)と面会し、握手を交わしたことでも知られる。
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