パリ五輪女子やり投げ金メダリストの北口榛花選手が地元・北海道に凱旋(がいせん)した。テレビ番組に出演し、10月12日にはプロ野球クライマックスシリーズ初戦の始球式も務めた。13日には故郷の旭川市でパレード。4万8000人が駆けつけ祝福した。

 北ロ選手には感謝ともに伝えたいことがあった。決意とも受け取れる強い言葉。それは世界で不動のトップなること。そして、競技をメジャー化することだった。

「やり投げはレベルが下がっている」北ロ選手が語った世界の現状

 10月11日に札幌市内で行われた報告・感謝の会。今後の目標を訪ねられた北ロ選手は真剣な表情でこう答えた。

 「自分の中での目標は、“北ロと言えば日本女子のやり投げ選手”と世界で浸透すること。少しでもここからスタートできればいいと思っている」

 すでに“世界の北ロ”では? 本人の思いは違うようだ。

 「陸上競技はたくさん種目があるので、今とちらかというと女子のやり投げは歴代でいうとレベルが下がっている時期。他の種目はどんどん世界記録が出ています。“トップ・オブ・ザ・トップ”にいる種目もある中で、やり投げはそういう位置にいない」

 北ロ選手には珍しい”ネカティフ”とも捕らえられる発言だった。

「世界記録との差」金メダルの一投は65メートル80… 世界記録は72メートル28

 女子やり投げの世界記録はバルボラ・シュポタコバ選手(チェコ)が2008年に記録した72メートル28。北口選手がパリ五輪で金メダルを決めた一投は65メートル80だった。

 北口選手は五輪競技後のインタビューでも70メートル超えが目標であったと語り、悔しさも残る金メダルでした。

 報告・感謝の会では、この記録も言及した。

 「本当の陸上のファンから見るとやり投げは注目点は落ちている。少しずつ記録的な部分も自分自身が上げることが大事。世界のライバル。友達と女子のやり投げを陸上競技の種目の中で注目してもらえるような、取り上げてもらえるような種目にできるようにがんばりたい」

 やり投げへ注目度を上げるため、ライバルたちと切磋琢磨していくと決意を述べた。

現地の面白さも見てもらいたい…北口選手の思い

 地元・北海道旭川市での凱旋パレードを終えたあとも、やり投げ競技のメジャー化への思いを語った。

 「まだ日本では1度も満員のスタジアムを作れたことがないですし、テレビで見ている方が大半。現地で見るやり投げはもっと違う面白さだったり、選手と近いことで実は選手がコーチと話をしている時間だったり、楽しそうに他の選手と話をしている時間を見てもらいたい」

 金メダルの快挙を称えられるだけではなく、やり投げ競技の本質と面白さに注目してもらえることが北口選手の願いだ。

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