2025年2月に東京で「被爆80年 核兵器をなくす国際市民フォーラム」を企画している一般社団法人「核兵器をなくす日本キャンペーン」は15日、広島市内で記者会見して開催概要を発表し、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)へのノーベル平和賞授与が決まったことを踏まえ「授賞はゴールではなく、核廃絶は道半ば。被爆80年の幕開けに、声をあげたい」とアピールした。
フォーラムは25年2月8、9両日に聖心女子大(東京・広尾)で開かれ、国内外のNGO関係者や専門家、被爆者を含む核被害者らを招き「核兵器の非人道性と被爆の実相」「核被害者援助と環境修復」「核兵器とジェンダー」などテーマ別の分科会で議論する。提言を取りまとめ同3月に開かれる核兵器禁止条約第3回締約国会議に提出する。
7日に東京で開いた記者会見はノーベル平和賞の発表前だった。この日はオンラインで参加したキャンペーン専務理事の川崎哲さん(ピースボート共同代表)は「(日本被団協の授賞決定を受けて)改めて被爆者の言葉を世界、国内にきちっと伝え、被爆者の体験が具体的な政策決定に影響を与えることを目に見える形にしたい」と語った。
石破茂首相や与野党のトップから、核禁条約への日本政府の参加を巡って発言が相次いでおり、川崎さんは「ついに政治の中心議題になったことは感慨深い。会議にオブザーバー参加するだけでなく、参加して何をすべきかの議論まで進めたい」と抱負を述べた。
キャンペーンの広島コーディネーターで「核政策を知りたい広島若者有権者の会(カクワカ広島)」共同代表の田中美穂さん(30)は「被爆者なき時代が迫る中、『自分がどう向き合うか』を多くの人が確認できるフォーラムにしたい」と話した。【宇城昇】
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