パトカーの赤色灯=曽根田和久撮影

 首都圏で相次ぐ強盗などの事件で、8月以降に4都県で起きた計10件について、警察当局が関連を調べていることが捜査関係者への取材で判明した。16日に発生した千葉県白井市の事件も含まれる。

 実行役らが指示を受けていた通信アプリのアカウントは一部の事件で重複しており、警察当局は同じ指示グループが関与した可能性も視野に捜査している。

 捜査関係者によると、これまでに東京、埼玉、神奈川、千葉であった7件の事件で、実行役を「闇バイト」で募集するなど関連があるとみられていた。その後、さらに千葉と東京の3件の事件でも関連性が浮上している。

 千葉県白井市の住宅では16日早朝、強盗致傷事件が発生した。県警によると、住人の70代女性から「就寝中、目隠しをされて体をたたかれ、金を請求された」と110番があった。男性とみられる複数人が住宅に押し入り、70代女性と40代の娘の両手などをテープのようなもので縛り、現金20万円を奪って逃走したという。

 また、千葉県船橋市の住宅でも、男性2人組とみられる実行役が押し入り、高齢夫婦が重軽傷を負う事件が9日に発覚した。

 東京都練馬区でも、9月10日に40代の男性が車で連れ去られた逮捕監禁致傷事件があった。この事件で指示役とみられる人物が使っていた通信アプリのアカウントは、一連の事件の一部と重複しているという。

 警察当局は押収した実行役らのスマートフォンの解析などで、約20個のアカウントから指示を受けていた可能性を把握。事件ごとに実行役らが入れ替わる「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」が関与しているとみて調べている。【岩崎歩、菅健吾、林帆南】

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