福島第一原子力発電所2号機の使用済み燃料プールでは、プールとつながっているタンクの水位が8月上旬に急に減りはじめ、漏えいが疑われたことから、プールの冷却を停止。10月17日現在も、冷却停止状態が続いている。

この水位低下をめぐっては、現場調査の結果、タンクにつながっている冷却用の水を流す配管が、原子炉建屋の内部で水漏れを起こしていることが発覚していた。
現場の線量が高いことから、東京電力が復旧方法を検討していたが、漏えい箇所を含む配管の一部を切断し、漏えいをふさぐために閉止。切断された前後を新しい配管でバイパスする形でつなぎ、冷却水を流すラインを新しく構築すると決定した。

この作業は早ければ10月21日の週にも着手され、順調にいけば1か月ほどで完了するが、現場の線量が高く作業員の被ばくを防ぐ必要があることなどから、作業期間は前後する可能性があるとしている。

停止したときのプールの温度は34.5℃で、10月17日の午前11時時点で43.7℃と評価。温度が65℃になると、周囲のコンクリートの健全性に問題が生じる可能性があるが、今後は外気温が低下することが予想されるため、最大でも46℃ほどまでの上昇と見ている。
一方、外気温の低下によりプール水面から発生した湯気が設備に悪影響を与えることがないよう早期の復旧を目指すという。

2号機の使用済み燃料プールには使用済み燃料587体と、未使用の燃料28体の、合わせて615体の燃料が保管されている。
外部への水の漏えいや、周辺のモニタリングポストの有意な変動はなく、東京電力は「周辺環境への影響は無い」としている。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。