「イット！」が追跡取材を続けている老人ホームを巡る問題。
今回、情報が寄せられたのは、東京都内の別の施設で起きていた虐待事案でした。
父親が都内の施設に入居していた家族：
車椅子に座らせていたら勝手に立ち上がって転んだということでしたけど、搬送された時の状態が右顔面打撲及び裂傷、右上腕骨折、右上肢の皮下血腫、みぞおちの打撲、それから全身に皮下出血が多数あったそうです。
2023年2月、情報提供者Aさんの父親が、当時入居していた東京都内の介護付き有料老人ホームから救急搬送された病院で撮影された写真があります。
顔や肩、そして胸など体の至る所に大きなあざがあり、前歯も数本折れていたといいます。
父親が都内の施設に入居していた家族：
なんでこんなことになっちゃったんだろうなって。父の命を守るために入所させたのに、どうしてちゃんと見てくれなかったんだろう。
90代だったAさんの父親は認知症が進んでいて、入居していた老人ホームによると、搬送される2日前に事故が発生。
Aさんら家族には「朝食を終えたあと車椅子から立ち上がった際に転び、カウンターに顔面を強打した」などと説明したといいます。
Aさんの父親は2日後に容体が悪化し入院。
病院からは次のように告げられたといいます。
父親が都内の施設に入居していた家族：
病院の看護師さんたちから電話が。施設の方は転んだって言ってるけど、どうやって転んだらこういう状態になるのか分からない、虐待の可能性があるって言われました。
父親は手術ができない状態だったといいます。
父親が都内の施設に入居していた家族：
多分手術をしたら命を落としてしまう可能性があるとのことで、手術はできないという話でした。
Aさんが自治体の窓口に通報したことで、施設への調査が行われました。
父親が都内の施設に入居していた家族：
行政の方は、施設の方が直接暴力を振るったかどうかは別として、ネグレクト、放置したことによって起きたことと解釈されたようで、施設側に注意勧告とか出したみたいです。
調査の結果、自治体は「事故の処置の記録や報告義務を怠ったとして『介護・世話の放棄・放任』にあたる」と虐待を認定。
そしてAさんの父親は、約半年後に誤嚥性肺炎で亡くなりました。
父親が都内の施設に入居していた家族：
直接の死亡原因は誤嚥性肺炎で、それに関係するものとして「全身打撲」と書いてありました。虐待があったかどうかは別として、実際にケガをしたときから何日も放置されていたことは確か。
行政から「ネグレクト・介護放棄」にも値するとの指導を受けた運営会社は、Aさんに宛てた報告書で反省の意思を示したといいます。しかし…。
父親が都内の施設に入居していた家族：
二度とこんなことが起こらないように気をつけます的なことが書かれていたんですけど、二度と起こらないって、施設側からしたら、たくさんいる施設の利用者かもしれないけど、命は戻らないんですよ。二度目はないんです。
「イット！」の取材に対しても、施設の運営会社は「虐待の事実は認める。誠に遺憾に思っており、再発防止を徹底している」と回答しています。
「イット！」が追跡取材を続けている「見捨てられた老人ホーム」問題を巡り、厚生労働省は18日、各地の有料老人ホームで安定的な運営が確保されるべく、自治体に対して指導を徹底するよう通知しました。
※FNNでは「老人ホーム一斉退職問題」を継続取材しています。情報提供してくださる方は、ぜひこちらまでご連絡ください。
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