袴田巖さん「権力を持ったらぐずぐずやらないように…」　無罪判決確定で静岡県警本部長が深々と頭下げ謝罪

県警トップが袴田さんに異例の謝罪です。

静岡県警察本部の津田隆好 本部長は10月21日、無罪判決が確定した袴田巖さんと姉・ひで子さんに「言葉では言い尽くせないほどの心労をかけ申し訳なかった」と謝罪しました。

21日午前11時、袴田巖さん・ひで子さんの前に進み出たのは静岡県警のトップ、静岡県警察本部の津田隆好 本部長です。

静岡県警・津田隆好 本部長：
静岡県警察本部長の津田です。本日はこのような場を設けてもらいありがとうございます。袴田巖さんの無罪が確定したことについて警察本部長として気持ちを伝えに参りました。袴田巖さん・ひで子さんにおかれましては、逮捕から無罪確定までの58年間の長きにわたり、言葉では言い尽くせないほどのご心労・ご負担をおかけし、申し訳ありませんでした。今後、静岡県警察としては、より一層緻密かつ適正な捜査に努めます。申し訳ありませんでした

袴田さんの姉・ひで子さん：
58年も前の出来事ですので私たちはもう運命だと思っています。巖も私もそう思っています。今さら警察に苦情を言うつもりはありません。今日はわざわざおいでくださって、ありがとうございました

県警・津田隆好 本部長：
本当に申し訳ありませんでした

支援者に発言を促された袴田さんは。

袴田巖さん：
権力を持つということですね、権力を持ったらぐずぐずやらないようにしないと。そう心得ております。闘いがあると権力が積極的に、街の平和を保証するということが第一だと思ってます

58年前、当時の清水市（現在の静岡市清水区）で一家4人が殺害された事件で、一度は死刑判決が確定した袴田さんがやり直しの裁判を経て、10月9日に無罪が確定しました。

しかし、長年の拘禁生活の影響は大きく、釈放から10年が経った今なお意思の疎通が難しい状況が続き、特に大人の男性に対し動揺することが多いということです。

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