衆院選に加え、町長選、町議選のトリプル選挙が予定されている北海道豊浦町で、四つめの選挙戦が繰り広げられている。地場産の魚介類の人気投票「海産(かいさん)総選挙」だ。告示は衆院選の公示日に合わせ、投開票日も同じ27日。衆院選に徹底的に寄せた企画で、候補者たちは総選挙を彷彿(ほうふつ)とさせるキャッチフレーズなどで支持を訴えている。
噴火湾とようら観光協会が主催し、今回は2017年と21年に続く3回目。豊浦産の魚介類を候補者に見立てたネット上の人気投票で、「魚食文化の普及に貢献したい」という漁業の町ならではの願いが込められている。
21年に実施した際には観光協会の関連ページの閲覧数が2週間で16万7945PVに達した。知名度アップにつながったのか、翌年の通販で特産のホタテは開始7分で完売となった。
今回も8候補が、工夫を工夫を凝らしたキャッチフレーズでしのぎを削る。初挑戦の「海藻類」は実際の政治状況を連想させる「地豊藻生(ちほうそうせい)を海中から 石場にしげる」を掲げ、昨年大量発生して漁業者を悩ませた「オオズワイガニ」は「噴火湾で勢力拡大 時代の殻は俺が破る」とアピール。過去2回を制している町特産の「ホタテ」は、「貫こう 貝派(会派)なくとも ご贔屓(ひいき)に」と「貝」の文字を前面に押し出す。
既に期日前投票が始まっており、27日午後5時まで公式サイトで投票を受け付ける。期間中は「鮮魚公報」や「魚論調査」を随時流して周知を図り、投票者の中から抽選で30人に町の特産品をプレゼントする。
同協会の岡本貴光事務局長は「解散報道があってから選挙までの期間が短い中、職員と知恵を絞って準備した。実際の選挙にも関心を持ってもらいたい」と話している。【平山公崇】
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