長野県上伊那郡内で80代の男性が野生キノコを食べ、痙攣や麻痺などの症状を訴え、医療機関に入院しました。保健所はテングダケとみられる有毒キノコが原因とする食中毒と断定しました。

伊那保健所によりますと、患者の男性は10月21日、勤務している上伊那郡内の職場の敷地で採ったキノコを、23日午前11時半ころ、自宅で加熱して食べたところ、午後3時ころ、四肢の痙攣、麻痺、意識混濁などの症状を訴えました。

男性は伊那市内の医療機関を受診し、入院したということです。

医療機関からの連絡を受け、保健所が調理済みのキノコを確認したところ、テングダケの特徴と類似していて、患者の症状も一致していたことから、テングダケとみられる有毒キノコを原因とする食中毒と断定しました。

患者は「テングダケ」を「カラカサタケ」と間違えて採り、調理し、食べてしまったとみられます。

男性は快方に向かっているということです。


長野県内では、7月26日から「有毒きのこ食中毒注意報」を発出中です。

県は次のように注意を呼びかけています。

【テングダケによる食中毒】(長野県より)
■特徴
・ 傘は灰褐色~オリーブ褐色。表面には白色のいぼが多数散在し、ふちには条線がある。
・ ひだは白色で、やや密。古くなっても変色しない。
・ 柄の表面は小鱗片~基部は球根状に膨らみ、つぼの名残がえり状になっている。
・初夏~秋に、広葉樹林の地上に発生する。

■症状
・ 食後30 分程度で嘔吐、下痢、腹痛など胃腸消化器の中毒症状が現れる。
・その他に、神経系の中毒症状、縮瞳、発汗、めまい、痙攣などで、呼吸困難になる場合もある。
・1日程度で回復するが、古くは死亡例もある。

【きのこ中毒防止のポイント】(長野県より)
・わからないきのこは採らない、食べない、売らない、人にあげない。
・ 食べられるきのこの特徴を完全に覚える。
・ わかっていても、もう一度よく確認する。
(毎年採って食べているきのこでも、同じ時期や場所に、類似した毒きのこが生えている場合があります。)
・ 誤った言い伝えや迷信を信じない。
・もし、きのこ中毒だと思ったら、すぐに医師の診察を受けましょう。
・受診の際、原因と思われるきのこが残っている場合は、持参してください。

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