沖縄県国頭村内で、生息していないはずの雄のシカ1頭の目撃情報が相次いでいる。21~23日の間に、同村謝敷の県道2号や奥与那林道で目撃されている。環境省は「10~11月はシカの繁殖期で雄は気性が荒くなる。危険なので見つけても絶対に近づかないで」と呼びかけている。
23日には、県、村、環境省、林野庁、名護署が会議を開き、国道の電光掲示板=写真=やホームページで注意喚起を始めた。
県内では慶良間諸島にケラマジカが生息するが、本島北部地域には生息していない。ただ、村内で動物園の開業を目指す団体が、約8年前からニホンジカ5頭を飼育していたという。代表の男性は「昨年までに老衰や病気で5頭とも死んでしまった。おりの中で育てており、逃がしたことはない」と話す。
現時点で雌の目撃情報はないが、NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の長嶺隆理事長は、繁殖した場合の影響を重大視する。植物が食い荒らされ、希少生物の生息地が壊れる可能性があるという。人への感染症のリスクもあるとし「人為的に持ち込まれた可能性が高い。世界自然遺産の森を壊すきっかけになりかねない」と危惧した。(北部報道部・比嘉海人)
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