北川健太郎被告=大阪市福島区で2018年3月1日午後4時23分、宮嶋梓帆撮影

 大阪地検トップの検事正だった2018年、酒に酔って抵抗できない女性に性的暴行を加えたとして、準強制性交等罪に問われた弁護士の北川健太郎被告(65)の公判が25日、大阪地裁で始まった。検察側は冒頭陳述で、「被告は『これで俺の女だ』と女性に告げ、暴行した」と明らかにした。

 冒頭陳述によると、被告は18年9月12日、女性らと参加した懇親会を終え、1人でタクシーに乗った女性を奥に押し込み、後部座席に乗り込んだ。女性は酔いが回って記憶が定かではないという。

 その後、事件現場となった大阪市内の被告の官舎で2人きりになった。徐々に目が覚めた女性は暴行されていることに気付き、「抵抗すると殺される」と思ったという。女性は「夫が心配します」と告げると、被告は「これで俺の女だ」と言い放った。

 後日、女性は懇親会の参加者に被害を打ち明けようとしたが、職を失ったり、家族に迷惑を掛けたりすると考え、相談できずにいた。被告にも懇親会後の行為について尋ねたが、被告は「時効が来るまで食事をごちそうする」と述べたという。

 起訴状によると、被告は18年9月12日深夜~13日未明、大阪市内の自身の官舎で性的暴行をしたとされる。

 被告は大阪高検次席検事や最高検刑事部長などを歴任し、18年2月に大阪地検検事正に就任した。定年前の19年11月に退官。その後は大阪弁護士会所属の弁護士となり、企業の取締役などを務めていた。【高良駿輔】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。