準強制性交罪に問われた北川健太郎被告の事件を巡り、被害者で元部下の女性は25日、大阪市内で記者会見を開いた。自身が現職の検事で現在は休職中だと明かしたうえで「なぜもっと早く罪を認めてくれなかったのか。検事としての尊厳を踏みにじられ、身も心もぼろぼろにされた」と声を震わせて憤りを語った。
会見では2018年の事件後、「公にすれば自死する」などと被告に口止めされたと主張。「検察庁職員全体が誹謗(ひぼう)中傷の対象になってしまう。守らなければならない」と考え、被害申告できずにいたと説明した。被告からは「時効がくるまでごちそうする」と持ちかけられたという。
ただ、被告はその後も検事正の職を続け、退職後も弁護士として活動。「事件を忘れたかのような振る舞いが被害感情を逆なでした」と憤り、今年4月に検察幹部への被害申告に踏み切った。被告には「長期実刑を求める」としている。
事件直前に開かれた被告らとの懇親会に同席した女性副検事が、捜査情報や被害者の氏名などを外部などに漏洩したとも主張。女性副検事について、国家公務員法違反や名誉毀損などの容疑で大阪高検に告訴・告発状を10月に提出したと明らかにした。
会見した理由については「私の経験を話すことで、今まさに苦しんでいる被害者に寄り添いたいと思った。性犯罪の本質を正しく理解してもらい、撲滅したいという思いだ」と述べた。
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