最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は30日までに、2015年に長野県佐久市で中学3年だった和田樹生さん(当時15)を乗用車ではねた後、すぐに救護しなかったとして道交法違反(ひき逃げ)の罪に問われた男性被告(51)の上告審弁論を、12月13日に開くと決めた。逆転無罪とした二審東京高裁判決が見直される可能性がある。
争点は、救命措置をする前に、飲酒運転を隠そうと近くのコンビニで口臭を防ぐ商品を買うなどした行為が救護義務違反に当たるかどうか。
22年の一審長野地裁判決は「罪が少しでも軽くなるよう飲酒の発覚を回避するための行動を優先し、救護を遅延させた」として懲役6月の判決を言い渡した。だが、東京高裁は昨年9月「要した時間は1分余りで、救護義務の意思は失われていなかった」と指摘し、逆転無罪を言い渡した。
事故は15年3月23日に発生し、和田さんはその後亡くなった。被告は同年に自動車運転処罰法違反(過失運転致死)罪で執行猶予付きの有罪が、19年に道交法違反の速度超過罪で公訴棄却がそれぞれ確定。ひき逃げ罪については検察審査会の議決を経て長野地検が22年に在宅起訴し、同じ事故で3度目の裁判となる異例の経緯をたどっている。〔共同〕
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