米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、生息するサンゴの移植を許可するよう国が出した是正指示は違法だとして県が取り消しを求めた訴訟で、最高裁第1小法廷(宮川美津子裁判長)は県側の上告を受理しない決定をした。25日付。国の是正指示を適法とした今年2月の福岡高裁那覇支部判決が確定した。

5人の裁判官全員一致の結論。サンゴ移植に関する国の是正指示を巡っては、別の訴訟で2021年にも県側の敗訴が最高裁で確定している。

今回の訴訟の高裁支部判決によると、防衛省沖縄防衛局は22年7月、軟弱地盤がある大浦湾側の埋め立て工事で消失するサンゴ類約8万4千群体の移植を申請。県は不許可としたが、農相が23年3月、許可するよう県に是正指示を出した。

判決は移植について「水産資源の保護に資する」と指摘し、移植申請を不許可とした県の法定受託事務の処理は漁業法違反に当たると判断。国の恣意的な権限行使も認められず、是正指示は適法で有効と結論付けていた。〔共同〕

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