坂本堤弁護士一家殺害事件から35年を前に営まれた法要で、手を合わせる弁護士仲間ら(3日午前、神奈川県鎌倉市の円覚寺)=共同

オウム真理教幹部らに坂本堤弁護士(当時33)一家3人が殺害された事件の発生から4日で35年となるのを前に、神奈川県鎌倉市の円覚寺で3日、法要が営まれた。遺族や弁護士仲間らが追悼し、事件を知らない若い世代にも語り継いでいく思いを新たにした。

事件は1989年11月4日未明に発生。横浜市磯子区の自宅で坂本さん、妻の都子さん(同29)、長男の龍彦ちゃん(同1)が殺された。遺体は新潟、富山、長野各県の山にそれぞれ埋められ、95年9月に発見された。

秋晴れの陽光に包まれたこの日、約40人が墓前に線香を手向けた。坂本さんの妹(65)が参列者に礼を述べ「年数を重ねており、皆さんも無理をなさらないように」と、高齢で来られなかった母、さちよさん(92)から預かった言葉を伝えた。

「坂本弁護士と家族を救う全国弁護士の会」事務局長の影山秀人弁護士は「仕事で判断に迷うときいつも、彼ならどう考えるかを思い返してきた」と述懐した。

事務所の先輩だった岡田尚弁護士は、弁護士でも事件を知らない世代が増えていることを念頭に置き「弁護士は宗教団体や暴力団を相手取るような怖い依頼を断れるが、それでは被害者は救われないことを伝え続けていきたい」と強調した。〔共同〕

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。