解体作業が始まった、元日の地震で倒壊した石川県輪島市の7階建てビル(5日午前)=共同

元日の能登半島地震で倒壊し、横倒しのままになっている石川県輪島市の7階建てビルの公費解体作業が5日、始まった。市は年度内の解体完了を目指すとしている。ビルは市中心部にあり、車両や歩行者の通行の支障となっていた。「倒れたビルを見ると気持ちが沈む」などとして市民から早期解体を望む声も上がっていた。

5日午前9時前、解体業者の重機が作業を始めた。ほこりが立たないよう、放水しながら進められ、かき出されたがれきを作業員が手で仕分けしていた。

倒壊により隣接する居酒屋が下敷きになり、店主楠健二さん(56)の妻、由香利さん(当時48)と長女の珠蘭さん(当時19)が犠牲になった。楠さんは、倒壊原因の調査を国や市に訴えている。

ビルは鉄筋コンクリート造り。上層階の部分が道路にはみ出す形で倒れており、上部から段階的に取り壊す工法で作業する。関係者によると、3階以上は年内に解体を終える予定という。

ビルと同じ敷地にあり、倒壊を免れた3階建ての建物は、既に解体が完了した。〔共同〕

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