羽田空港の国際線出発カウンターで手続きをする人たち(27日午前)

ゴールデンウイーク(GW)の初日を迎えた27日、行楽地へ向かう人たちの出国ラッシュがピークを迎えた。新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に移行してから初めての大型連休。空港は海外旅行へ出かける家族連れなどで朝からにぎわいをみせたが、円安の影響もあり、行き先はアジア諸国などの近場が目立った。

羽田空港の国際線ターミナルは同日朝、スーツケースを引く旅行客で混雑し、各航空会社のチェックインカウンターには出国する人たちの長い列ができた。

「近場でも海外にようやく行けるようになってうれしい」。千葉県船橋市の会社員男性(38)は午前7時ごろ、妻と娘とともに同空港に到着。旅費が高騰しているため、欧米を避け、2泊3日で台湾へ旅行するという。

家族でタイを訪れるという会社員の60代女性は「コロナ禍前と比べて旅費が格段に上がった」と驚く。長期休暇は家族でよく海外を訪れていたが、新型コロナ禍では自粛しており、6年ぶりの海外旅行だという。「アジアでも旅費はいつもより高いが、奮発した」と話す。

東京国際空港ターミナルの推計によると、GW期間中を含む4月26日〜5月6日に羽田空港から出国するのは昨年同時期より32%増の約34万3100人。コロナ禍前の19年と比べて19%増加すると見込む。

一方、成田国際空港によると、同期間に成田空港を出発するのは昨年同時期比で35%増の約43万8500人と予想され、19年の77%まで回復したという。

JTBが4日に公表した推計では、海外旅行の行き先として最も多いのは韓国で、次いで東南アジア、台湾だった。19年は東南アジアが1位で、ヨーロッパ、ハワイと続いていた。

JR旅客6社によると、新幹線や在来線のピークは下りが5月3日、上りは同6日となる見通し。4月26日〜5月6日に予約された新幹線・在来線の指定席数は計296万席で、昨年同時期より16%増えた。

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