2021年11月に新潟市の自宅で妻と娘を殺害した罪などに問われている男の裁判が新潟地裁で開かれている。
11月6日には6回目の公判が開かれ、死亡した妻の母親と弟が証言台に立ち、「無期懲役刑を望む」と話した。また、今回の裁判で初めて被告人が証言台に立ち、不倫関係を続けてきた理由などについて答えた。
■妻の弟が証言「反省できていないなら無期懲役を」
殺人や殺人未遂など4つの罪に問われているのは、新潟市南区の元看護師・渡辺健被告(31)だ。
起訴状などによると、渡辺被告は2021年9月、当時看護師として勤務していた病院から塩化カリウム10本を盗んだほか、11月には南区の自宅で、妻の春香さん(29)と娘の純ちゃん(1)の首をロープで締め付け、自殺を装い殺害した罪などに問われている。
11月6日の6回目の公判では、殺害された春香さんの母親と弟が証言台に立った。
渡辺被告が2人を殺害した後に、連絡を受けた春香さんの弟。犯行直後に家に駆けつけた際の様子を聞かれ、春香さんと純ちゃんがあお向けに倒れていて、頭上にロープが置かれていたと、その状況について説明した。
また、春香さんと純ちゃんの様子について、春香さんは顔が真っ赤で紫色の斑点模様のようなものが出ており、純ちゃんは苦しくて息をしたかったのか、大きな口を開けていたと、現場の状況を語った。
検察から被告人にどんな刑を望むかを聞かれると「全然反省できていないなら、世に戻すべきではない。反省も謝罪もいらないので極刑にしてほしい。死刑とまではいわなくても、無期懲役を」と話した。
■妻の母親「罪に見合った罰を…」
その後、春香さんの母親が証言台へ。
2人が亡くなった後、「お帰りなさいと声をかけたら、春香の左目から涙のようなものがつたった」と再会した時の様子を語った。
弟と同じく検察から被告人にどのような刑を望むか聞かれると「彼1人の命と春香と純の命ではバランスが取れない。2回死んでほしいというのは本当に思う。死ぬまで一生悔やみ続ける人生でないと困る。罪に見合った罰を与えて欲しい」と語った。
■被告人質問「不倫と夫婦関係両立できると…」
その後、今回の裁判で初めて被告人質問が行われた。
職場から睡眠薬を持ち帰った件について弁護側から問われると「妻に催眠薬を飲ませようとした」と答えた渡辺被告。
当時職場の女性と不倫関係にあった点についても質問は及んだ。
弁護人から夫婦関係と不倫関係について聞かれた渡辺被告は「自分勝手なことだと分かっていたが、なんとか両立できると思っていた」などと述べた。
裁判は11月7日も被告人質問が行われ、判決は11月22日に言い渡される予定だ。
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