東京電力福島第1原発の2号機=福島県で2024年8月22日、本社ヘリから宮間俊樹撮影

 東京電力は8日、福島第1原発2号機で初めて回収した溶け落ちた核燃料(燃料デブリ)の試料が約0・7グラムだったと発表した。今回の試験取り出しでは回収量を最大3グラムとしており、その範囲に収まった。

 東電はこの日、原子炉建屋内に設置した密閉容器の中で試料を取り出し、簡易的な測定をして、輸送に問題がないか確認した。

 燃料デブリに含まれる放射性物質は冷却水と反応して水素を発生するため、水素濃度も測定。結果は検出限界値未満だった。放射線も測定したが、表面の線量は特定できなかった。

 東電は今後、日本原子力研究開発機構大洗研究所(茨城県大洗町)へ試料を送る。県内の分析施設最大4カ所で詳細に分析を行い、約1年かけて結果をとりまとめる。【高橋由衣】

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