JR西日本は9日、乗客106人と運転士が死亡した福知山線脱線事故(2005年4月)の遺族らを対象とした説明会を兵庫県宝塚市で開き、整備中の事故車両保存施設について原則非公開とする方針を示した。遺族や負傷者らには、要望に応じて公開する。
説明会後、JR西の長谷川一明社長が記者会見して明らかにした。長谷川社長は「車両を見られないご遺族もいて、そのお考えを重く受け止めている。現段階では原則非公開と判断した」と説明。一方、事故の記憶の風化防止につながるとの観点から「一般に公開することも、方法の一つになりうると(出席者に)伝えた」と、将来的な公開に含みを持たせた。
施設は大阪府吹田市の社員研修センター敷地に整備中で、25年12月ごろ完成予定。7両編成の事故車両のうち、破損が激しかった1~4両目は部品ごとに元々の取り付け位置を復元する形で棚に保管。原形をとどめる5~7両目はそのまま保存する。
JR西によると、非公開の説明会には、計65人が出席。10日も同様の説明会を開く。【洪玟香】
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