大分県が開設した消防団応援サイト=スクリーンショットより

 少子高齢化などを背景に、地域の安全を守る消防団員の数が全国的に減少している。そんな中、大分県は女性や若者らに今後の消防団を担ってもらおうと、現役消防団員の声や活動内容を詳しく紹介する「おおいたの消防団応援サイト」を開設した。県防災局の稙田光一さんは「消防団員は地域防災の要。サイトを見て、多様な人材に興味を持ってほしい」と呼び掛けている。

 消防庁によると、4月1日時点の全国の消防団員数は、前年同期比1万5989人減の74万6681人。1955年に200万人、90年には100万人を割り込み、右肩下がりの傾向が続くが、その一方で30歳未満の割合も1割未満と若年層の参加も課題となっている。

 県内の傾向も同様で、4月時点の消防団員数は10年前に比べて15%減の1万3244人。女性は増加傾向にあるものの、男性の占める割合が依然として9割以上だという。

大分県が開設した消防団応援サイト=スクリーンショットより

 県は、団員に占める高齢者の割合が増え、その退団が相次いだことが減少傾向の一因だと分析。新たな担い手となる女性や若者らに興味を持ってもらおうと、サイトには県内18市町村で活躍する団員19人のインタビュー記事を掲載した。団員歴はそれぞれ2~40年と幅広く、職業も会社員や公務員、自営業などさまざまだ。

 記事では、活動中の写真などと共に、入団のきっかけや消防団への思いを紹介。また、活動は消火や災害時の救助だけでなく、平常時の防火訓練や応急手当ての指導などがあり、女性の活躍できる場が十分にあることも強調している。

 また、サイトへのアクセスを促すため、消防団の存在意義や団員の減少などを伝えるユーチューブ広告動画2本(いずれも15秒)も同時に製作。広告にはサイトにアクセスできるURLを貼り付けた。入団に関する問い合わせは、サイトの専用フォームからできる。【山口泰輝】

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