大分市で起きた時速194キロの車による死亡事故の裁判員裁判は、大分地裁で証人尋問が行われ、視力に詳しい専門家が「高速度での運転は視野が狭くなる」などと証言しました。
2021年2月、大分市大在の県道交差点で小柳憲さんが車で右折しようとしたところ、当時19歳の男が運転する時速194キロの車と衝突し、亡くなりました。
男は危険運転致死の罪に問われていて11日の裁判では、194キロで運転した場合、視野などが狭くなり、ハンドル操作を誤る恐れが高まることについて視力や視野を研究している北里大学准教授の証人尋問が行われました。
准教授は「運転中は、注意力を運転操作に割く必要があるため見えているものの情報処理が遅くなりものが見えにくくなる」などと証言しました。
また、視野については統計データを引用し、「人間の視野は通常180度あるが時速40キロで運転した場合100度に、時速130キロで運転した場合は30度まで狭くなる」と説明しました。
一方弁護側は「証人は、データの根拠となる実験がどのような状況や手法で行われたかを知らない」と指摘した上で、「運転手の能力や個性によって結果は変わるのではないか」などと主張しました。
次の裁判は12日に予定されていて、被告人質問などが行われます。判決は今月28日の予定です。
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