【大宜味】12日、村内の一部集落を除き給水が再開した大宜味村。村民らは3日ぶりに生活用水を自由に使えたことに「一安心」「つらかった」と語った。
同村塩屋の与那城武さん(92)は「洗い物とお風呂が困ったね」とぽつり。1人暮らしで膝が悪いため、村役場前の給水所には行けず、近所の公民館に届けられた飲料用水を区の人に家まで運んでもらった。「もし自分が歩けなくて気付いてもらえなかったら、大変なことになっていた」と顔を曇らせた。
同村喜如嘉に住む芭蕉布(ばしょうふ)保存会会長の平良美恵子さんは「布の染色には水が必要だが、仕事どころではない。トイレに1回入るにも、水が足りず不自由だった」と振り返った。
同じ喜如嘉の老人ホーム「グループホームきじょか」では、79~102歳の9人が入所する。施設管理者の前田正さん(61)は「『やっとお風呂に入れる』『洗面台で手を洗えてさっぱりした』との声が聞かれた」と復旧を喜んだ。(北部報道部・比嘉海人)
(写図説明)断水が解消し、たまっていた食器を洗う与那城武さん。「これで一安心です」と話した=12日、大宜味村塩屋
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