チラシを配って、情報提供を呼びかける高羽悟さん=名古屋市西区の商業施設で2024年11月13日午前11時11分、田中理知撮影

 名古屋市西区稲生町のアパートの自室で1999年、主婦の高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件は13日、未解決のまま25年がたった。夫の悟さん(68)は「今年こそ事件解決を」と気持ちを込め、区内の商業施設で情報提供を呼びかけるチラシを配った。

 事件は25年前の13日昼ごろ発生。奈美子さんは首を刃物で刺されて殺害された。犯人は女とみられ、現在は60~70歳ぐらいで、血液型はB型。事件時に腕にけがをしたとみられ、手に傷が残っている可能性があるという。

 毎年、情報提供を呼びかけてきた悟さんだが、今年は「穏やかな命日だった」と話す。事件当時2歳だった長男航平さん(27)が11日、妻の親友の娘、咲月さん(同)と結婚した。肩の荷が下りた気分といい「25年頑張ったご褒美かな。奈美子にも良い報告ができた。『私が導いた』と言われそうですが……」と笑顔をみせた。

家族との会食で、高羽奈美子さんの遺影とともに写真に納まる長男航平さん(右)と咲月さん=名古屋市中村区で2024年11月4日、高羽悟さん提供

 ただ、奈美子さんにはまだ「犯人逮捕」の報告ができていない。「犯人を逃がさないように(活動を)続ける。私たち親子が元気な姿を見せることで、犯人の手には屈していないと示したい」

 県警によると、今年は9月末までで、45件の情報が寄せられた。有力な情報の提供者には上限300万円の報奨金が支払われる。情報提供は西署(052・531・0110)まで。【田中理知】

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