防ぐ手立てはないのでしょうか。各地で相次ぐ「闇バイト」による事件。

関西でも、闇バイトとみられる事件が相次いでいたことが分かりました。犯行からは、ある特徴が見えました。

■「高額の報酬がもらえる」闇バイトに参加した実行役とみられる男

大阪府内の会社事務所に侵入したとして逮捕・起訴された島宏至被告(21)。「闇バイト」を介して集められた実行役とみられています。

【島被告】「高額の報酬がもらえるという闇バイトの案件に参加した」

島被告による関西での犯行はこれだけではありませんでした。ことし4月、会社経営者の男性が住む大阪市淀川区のマンションの一室のドアをバールでこじ開けようとしたのです。

この事件をめぐっては、14日埼玉県内で今井裕治容疑者(37)が逮捕されました。指示役とみられています。


■「SNSによる指示で遠方でも可能」関西でも闇バイト

関東で相次いだ闇バイトによる事件がなぜ関西でも起きたのか。

【元神奈川県警捜査一課長 鳴海達之さん】「関東でやっていた人間がやっているのかなという感じはしますよね。 ある程度やり方を知らないと、リクルーターをやったり、自分で計画を作ってみることはやれないと思う」

元神奈川県警捜査一課長の鳴海達之さんは、「SNSを介して指示をすることがそれを可能にしている」と指摘します。

【元神奈川県警捜査一課長 鳴海達之さん】「SNSでつながっているだけなので、指示役が関西に、たとえば大阪にいないくても指示はできる。関東にいるまま」

実際に、今井容疑者は、匿名・流動型犯罪グループ「トクリュウ」のリーダー格で、SNSなどでの実行役の募集にも関与していたとみられます。淀川区の事件でも、SNSで事細かに指示を出していた今井容疑者。

【今井容疑者】「現場で写真を撮って送れ。ドアはこうやって開けろ」

■「闇サイトである程度名簿は手に入る。マンションだからといって安全ではない」

さらに捜査関係者への取材で、今井容疑者たちの詳しい手口が見えてきました。

事件の前日、実行役の島被告が淀川区の現場マンションを訪れ、写真を撮る様子が防犯カメラに映っていました。下見とみられています。

さらに 事件の当日防犯カメラには、島被告が被害にあった部屋にまっすぐ向かう姿も映っていました。 島被告はその部屋を「ピンポイント」に狙ってきたものとみられています。

一体なぜ、そんなことができるのでしょうか?

【元神奈川県警捜査一課 鳴海達之さん】「ネックになるのはターゲットにするたの名簿があるかどうか。闇サイトをたどっていけば名簿はある程度手に入ると思う」

「(Q名簿は簡単に入手できる?)できますね。個人情報は1人について1件1円とか10円とかそんなもんで売ってますから。マンションだからといって安全ではないんですよね。狙いは“そこにお金があるから”」

■1回目で犯行に失敗も 翌日犯行に及ぶ

この事件の指示役として14日逮捕された今井裕治容疑者(37)。今井容疑者は、ことし3月に起きた、大阪府内の会社への侵入事件も指示したとみられていて、関西テレビの取材である事実が明らかに… 。

【被害に遭った会社関係者】「1日目は近くを通った人が通報してくれて2日目は警備会社のサイレンがなったから侵入されずに済んだ」

被害に遭った会社関係者によると1回目で犯行に失敗したにも関わらず、翌日も犯行に及んでいたのです。

【被害に遭った会社関係者】「事件の3日前の夜、若者がじっと建物を見つめていたので、なんだろうと思っていた。今考えると犯行グループだったのかもしれない」

逮捕のリスクが高まっても、なりふりかまわず実行役に犯行を指示していたのでしょうか。

警察庁は闇バイトによる事件の増加を受け、SNSで「警察は必ず捕まえます。逃げることはできない」と、異例の警告文を発表。「報酬はあなたを信用させるための餌」などと強い言葉を使って呼びかけています。

(関西テレビ「newsランナー」2024年11月15日放送)

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