■有山楓(当時7歳)ちゃんの父親が手記を公表
奈良市で小学1年の有山楓ちゃん(当時7歳)が誘拐され殺害された事件から、17日で20年になります。楓ちゃんの父親が手記を公表しました。
■「娘はもらった」娘の携帯電話から母親にメール
20年前の2004年11月17日、1人で下校していた楓ちゃん(当時7歳)が家に帰ってこなかったため、午後7時ごろ、家族が警察に通報しました。
午後8時すぎ、母親の携帯電話には、楓ちゃんの携帯電話から1通のメールが届きました。
【メールの内容】「娘はもらった」
奈良県警は誘拐事件として100人態勢で捜査にあたりましたが、18日午前0時すぎ、楓ちゃんは自宅から6キロほど離れた道路の側溝で遺体で発見されました。
その後、警察は殺人などの疑いで小林薫容疑者を逮捕。裁判では死刑が言い渡され、2013年に刑が執行されました。
■よく節目と言われますが、悲しみや後悔の思いは時間が過ぎようとも変わることはありません。
事件から20年。楓ちゃんの父・茂樹さんは、思いをつづった手記を公表しました。
「ことしで楓が被害に遭って20年がたちます。よく節目と言われますが、悲しみや後悔の思いは時間が過ぎようとも変わることはありません。
警察署で再会した楓の表情、家の中の私たち家族へ向けられたフラッシュの嵐は今でも鮮明に記憶しているのに笑顔いっぱいの楓の写真を見て楓の言葉は思い出せても、元気な声が時間とともに頭の中に響かなくなってきました。
当時の悲しみとは違い時間の経過が新たな悲しみや苦しみを生み出してきます。
楓がいない20年間、私は前に進まなければならないと必死にもがいてきましたが、一歩が本当に重く感じる毎日でした。
それでも楓の生きた7年間だけでなく、今も楓への思いを忘れず、二度と悲しい事件を起こさない取り組みを継続してくれている多くの方に支えてもらい、気持ちだけは前を向いて進んでこられました。
この20年が大切な時間であったと思えるのも、きっと楓が今も私のそばにいて、思いや縁をつないでくれたからだと思っています。
残された者の苦しみは言い表せません。思いを出すことも出さないことも本当に辛いものです。このような思いを誰にもしてほしくありません。
行政、地域、学校による安全への取り組みが続くことを心より願います。
有山茂樹」
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