殺人の罪に問われている元妻に対する検察側の求刑は、無期懲役でした。

6年前、和歌山・田辺市の自宅で死亡した、「紀州のドン・ファン」こと野崎(崎は立つ崎)幸助さん(当時77)。

その当時の妻で、野崎さんに覚醒剤を摂取させて殺害した罪に問われている須藤早貴被告(28)の裁判員裁判が18日、結審しました。

初公判で無罪を主張した須藤被告は、これまでの裁判で自殺や事故の可能性を主張し、事件性や犯人性が争点になっていました。

18日の求刑で、検察側は「殺人事件であること、被告人が犯人であることは十分に証明された。野崎さんが覚醒剤を摂取したとされる時間にその場にいたのは被告だけで、覚醒剤を摂取させるタイミングは十分にあった」と主張。

求刑理由が読み上げられる間、須藤被告は資料に目を落としつつ、時折、検察官を見つめるように聞いていました。

そして、検察側は「遺産を得るために犯行に及んだ、極めて悪質。反省の態度がなく、証拠を見て弁解を組み立てて話しているのは明らか」などとして無期懲役を求刑。

その際、須藤被告に動揺するなどの様子は見られませんでした。

続いて、最終弁論を行った弁護側は「薄い灰色をいくら塗り重ねてもクロにはならない。結局、どういう方法で覚醒剤を飲ませたか分かっていない」と主張し、検察側が直接的な証拠を出していないことを指摘しました。

最後に、最終陳述で須藤被告が「弁護士が何度も言っていましたが、ちゃんと証拠を見て判断していただきたいです。よろしくお願いします」と、口を開きました。

判決は12月12日に言い渡される予定です。

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。