長年にわたって秋田県民の生活を守り続けてきた警察官を表彰する「県民の警察官」に2人が選ばれた。2回にわたって受章者を紹介する。20日は五城目警察署上出戸交番の村上学警部補。
五城目警察署上出戸交番に勤務する村上学警部補(59)。村上さんの任務は、地域の人たちの生活と安全を守ること。そのために地域とのつながりを大切にしている。
村上さんは自ら考えた標語を毎月交番に張り出し、地域の人に交通事故防止などを呼びかけている。11月の標語は「自転車利用 厳罰強化 ルール守ってオトナブルー」だ。
村上さんは「高校生が多く通るので、今月1日から道路交通法が改正されたということで、高校生なら家族みんなに教えられる。強化されたことを広めてほしくて交番に掲げた」と話す。ユーモアあふれる標語は行き交う人の目を引く。
警察官として38年を過ごしてきた村上さんは、このうち20年、捜査部門を担当している。
村上さんが最も印象に残っているのは、2007年の「比内地鶏表示偽装事件」だという。大館市の鶏肉加工販売会社が、比内地鶏ではない鶏肉を「比内地鶏」と表示して販売し、業者から金をだまし取ったものだ。
村上さんは「任意同行する時に警察署に着いたら報道関係者がいっぱいいて、そこをかき分けて被疑者と一緒に入っていったのが大変だった」と振り返る。
そんな村上さんが警察官を目指したのは中学生の時だった。中学校の時、剣道部に所属していたという村上さんは「その時のコーチが五城目警察署の地域課にいて、その人に憧れたのが大きい」と話す。
村上さんがいま力を入れているのは、関東などで相次ぐ強盗被害に遭わないよう、地域の人に注意を呼びかけることだ。
また、担当する地域には海水浴場があるため、海の事故を防ぐためのパトロールも欠かせない。釣り人が来るため、ライフジャケットの着用の徹底などに気を配っているという。
一緒にパトロールする後輩は、村上さんを“憧れの存在”と話す。
畠山純一巡査長:
「職場では、年齢を問わず気さくに声をかけてくれて、場を和ませてくれる。仕事では事件の筋読みや判断がとても早く、頼りになる上司です」
後輩たちが厚い信頼を寄せる村上さん。これから警察官を目指す人に伝えたいことがあるという。
村上学警部補:
「やる気を持って元気を出してくれば上司や先輩が助けてくれるので、心配しないで警察官になってほしい。やればできる子、褒めれば伸びる子、そんな人が警察官になるので」
“警察官としての使命を果たす”
村上さんはこれからも強い気持ちで、地域の安心安全を守り続ける。
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