天気にまつわる素朴な疑問や、珍しい気象現象、知りたいことなどを村田気象予報士がわかりやすく解説する「天気のギモン」のコーナー。
今回は、視聴者からのギモン「今年の雪は平年並みか多いと予想されていますが、福井はいつ頃、雪が降りますか? タイヤ交換がまだです。教えてください」にお答えします。
◆ここ数年の福井の初雪
まず、ここ数年の福井の初雪の日を見ていきます。
平年は12月3日、2023年は12月17日、2022年は12月14日、福井で積雪が1mを超えた2021年は12月2日と平年より1日早かったです。ここ数年は平年よりも遅くなっていることが分かります。
◆2024年の初雪予想
2024年の初雪はいつになるか?というと…「12月10日頃」です。
まだしばらくは、極端に強い寒気は予想されていないため、12月に入ってからでしょう。
◆この先の寒気予想
ただ、山で雪を降らせる寒気は小刻みに南下してきます。目先の寒気は11月23日と29日です。
まず、23日と29日に上空1500m付近で0度の、山で雪を降らせる寒気が西日本まで南下してきます。29日の寒気の方が強いかもしれません。嶺北の標高の高い山やスキー場などは少し積雪が期待できるかもしれません。
一方で平地は、雨の予報です。平地で雪が降るには、もう少し強い寒気でなければいけません。そのような寒気は12月になるため、初雪は12月10日前後とみています。
◆初雪の観測方法
ところで初雪は、どのように観測しているのかというと「自動観測」です。以前は、気象台の職員が目視で初雪の観測を行っていました。
ただ、福井地方気象台は、2020年から観測装置による自動化されています。露場といわれる観測所で、芝生の上に観測器が並んでいます。感雨器という装置で、地上から1mの高さのところに電極があり、ここに降水があると電流が流れるようになっています。その電流を感知して雨が降ってきたことがわかるのです。
あとは、観測された気温や湿度からコンピュータが雨・みぞれ・雪を自動判別します。中央に針があるのは、鳥の糞でも反応してしまうので、感雨器の表面に鳥がとまらないように針が立っています。
ちなみに、みぞれが降ってくれば 初雪として観測されます。あられやひょうは 初雪とはなりません。あられやひょうは 氷の粒で、夏でも観測されることがあるので、初雪にはなりません。
初雪予想は12月10日頃ですが、スキー場など、山は積雪になるかもしれません。車のタイヤ交換は早めに済ませましょう。
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