■親子3人のいびつな“主従関係”の背景-父親の修被告は保釈…娘の瑠奈被告から「暴力を受けていた」と明かす

 2023年7月、北海道札幌市の繁華街・ススキノのホテルで男性を殺害し首を切断したなどとして親子が逮捕された事件で、父親が保釈されました。
 一方、11月20日の裁判では娘から暴力を受けていたことを明らかにしました。  

 20日に開かれた母親・田村浩子被告の裁判。

 真っすぐ前を見つめた浩子被告は一礼し入廷しました。

 同じ法廷には黒のスーツをまとった父親・修被告の姿も。

 6回目の裁判となるこの日、検察が修被告に証人尋問、修被告は娘の瑠奈被告から「暴力を受けていた」と明かしました。

 一連の証言から浮かび上がったのは、親子3人のいびつな“主従関係”の背景です。

 2023年7月、札幌市ススキノのホテルで頭部を切断された男性の遺体が見つかった事件。

 62歳の男性を殺害して首を切断し頭部を持ち去ったとして、瑠奈被告が殺人などの罪、両親が殺人や死体遺棄ほう助などの罪で逮捕・起訴されています。

 6月に始まった浩子被告の裁判では、異様な家族関係が明らかとなりました。

 切断した男性の頭部を自宅に持ち帰った瑠奈被告は…

 「おじさんの頭持って帰ってきた」(瑠奈被告)

 「頭部の存在に気付いたのは家に持ち込まれた後。とがめることができませんでした」(浩子被告)

 6月の初公判でこう語った浩子被告。

 浩子被告はこれまでの裁判で「遺体を遺棄することを容認したのは違う」などと無罪を主張しています。

 また8月の裁判では検察側が、修被告が犯行計画を事前に知っていたことを示す証拠を提出。

 それによれば修被告は事件前、「漂白剤で指紋は消せる?」と検索していたといいます。

 これに対し、10月の裁判で弁護側の証人として出廷した修被告は…

 「漂白剤の検索結果は?」(弁護側)

 「なかった」(修被告)

 「漂白剤を検索した記憶はある?」(弁護側)

 「はい。娘からダメージの強いドールの汚れを消すのに漂白剤が使えるかと聞かれた」(修被告)

 修被告は娘に加担したという検察側の主張を真っ向から否定しました。

 また、これまでの裁判で家族が異様な関係のなかで暮らしていた実態も明らかになっています。

■検察「瑠奈被告の望みは何なのか?」修被告「何を望んでいるか、今も含めてほとんどわかりません」

 「あんたもそのくそアマもよ、どっちもよ。熟女系の風俗にでも売り飛ばせばいい。とっとと売れや、そのくそアマをよ」(瑠奈被告)

 娘の瑠奈被告と両親の歪んだ関係。

 そして、11月20日に迎えた浩子被告の6回目の裁判で明らかになったのは…

 「瑠奈さんから暴力を受けたことはありますか?」(検察側)

 「あります。我々が恐怖を抱いたというか、それ以上本人を追い込めないようにと思った」(修被告)

 「瑠奈被告の望みは何なのか?」(検察側)

 「何を望んでいるか、今も含めてほとんどわかりません」(修被告)

 娘から暴力を受けていたこと、そして娘に対しての赤裸々な気持ちを語った修被告。

 事件当日のことについては。

 「事件当日は?」(検察側)

 「車で送った。あまり覚えていないです。待ち合わせの時間に間に合うように家を出たと思います。1年も前のことですし、いちいち細かいことまで覚えていません」(修被告)

 「瑠奈被告の持ち物はどうしたか?」(検察側)

 「細かいこと見てたら『何ジロジロ見てるの』と言われるので細かくは見てません。(瑠奈被告は)後部座席に座ってた」(修被告)

 娘・瑠奈被告から受けていたという暴力、そして複雑な親子関係を新たに明かした修被告。

 衝撃的な事件がなぜ起こったのか。

 次回の裁判は12月12日の予定で、審理の行方が注目されます。

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