2023年4月に岸田文雄前首相の演説会場に爆発物が投げ込まれた事件で、殺人未遂罪などで起訴された木村隆二被告(25)に対し、和歌山地検の検事が取り調べで人格を否定する発言をしたとして、弁護人が最高検に抗議文を送っていたことが21日、分かった。

弁護人によると、逮捕後の23年5月、被告から接見の要望があり、検事から人格を否定するような取り調べを受けたと伝えられた。弁護人は、地検の主任検事と面会し抗議するとともに、最高検に文書を送ったという。

事件は23年4月15日午前、和歌山市の雑賀崎漁港で起きた。起訴状などによると、被告は衆院和歌山1区補欠選挙の応援に訪れていた岸田氏らを殺害する目的で手製のパイプ爆弾を演説会場に投げて爆発させ、近くにいた警察官や聴衆の2人に軽傷を負わせたなどとされる。岸田氏は退避し、けがはなかった。

被告は逮捕後、一貫して黙秘を続け、同年9月に殺人未遂、爆発物取締罰則違反、銃刀法違反、火薬類取締法違反、公選法違反の罪で起訴された。25年2月4日に和歌山地裁で裁判員裁判が始まり、初公判を含む計4回の審理を経て同19日に判決が言い渡される予定。

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