ハチ駆除などの項目がびっしり書かれた請求書。
合計の欄には172万7000円という金額が記載されています。

家の屋根裏にできた、たった1つのハチの巣の駆除に178万円。
ぼったくりともいわれる金額を請求し、逮捕されたのは仲山翔太容疑者(26)です。

その卑劣な手口を被害男性がカメラの前で初めて語りました。

東京・あきる野市に住む70代の小野さん。
2023年8月、屋根の近くをハチが飛んでいることに気づき、ハチの巣の駆除業者を探すことにしました。

ネット検索で調べた会社に電話をすると…。

小野さん(仮名70代):
「すぐ来ます」って、1時間くらいたったら来た。最初は見積もりだけしてもらうつもりで、「見積もりどのくらいですか」って言ったら(仲山容疑者が)「2万5000円」と、そんな安いのという感じ。

この日は見積もりだけのつもりだった小野さん。
しかし、仲山容疑者は突然、防護服を着て作業を開始します。

小野さん(仮名70代):
急に(作業が)始まっちゃって、どんどん進められちゃった。こっちが考える暇もない。

小野さんの許可もなく駆除を始めた仲山容疑者。
見積もりでは2万5000円だったはずが…。

小野さん(仮名70代):
(ハチを)殺す薬品みたいなのが1本4万5000円とかで、「それ7本使います」って言うから 「えっ」となって。作業服がいくらとか、(巣を)取り出すのがいくらとか、処分するのにもいくらとか、どんどん重なっていくんですよ。

7本必要という薬品を見せることもなく進められた作業。
30cmほどの巣を取り出したあと、提示した金額は172万7000円。

小野さん(仮名70代):
(Q.金額を言われたときはどうだった?)はっきり言って(頭が)真っ白になった。かみさんに下ろしてきてもらって、(170万円のうち)60万円を現金で払った。

小野さんは業者に現金60万円を支払い、残りを3日後に振り込むよう指示されましたが、不審に思い支払いませんでした。

すると翌日、「何で振り込まねぇんだ」「払わねぇなら今から3人で家まで行くからな」という電話がかかってきたといいます。

小野さん(仮名70代):
もう脅しですよね。何されるか分からないじゃないですか。

恐怖を感じた小野さんが警視庁に相談したことから捜査が開始。
契約書にクーリングオフの記載をしなかった疑いで逮捕に至ったのです。

調べに「覚えていない」と容疑を否認しているということですが、捜査の結果、別の住宅でもハクビシン駆除の代金として250万円を支払わせるなど、半年余りで3700万円売り上げていたことも判明しました。

トラブルがあとを絶たない害虫駆除。
国民生活センターによりますと、こうした害虫・害獣駆除サービスの相談が、2024年度は10月末時点で2047件と、前の年の同じ時期と比べて1.2倍に増加しているといいます。

では被害に遭わないためにはどうすればよいのでしょうか。
年間500件以上ハチの巣の駆除を行っている害虫駆除の業者に話を聞きました。

日本救急サービス株式会社・荒井謙人さん:
何か説明して、請求できそうなところに金額乗せていったとしか思えない。例えば、行政や不動産の管理会社とか、そういった方たちに聞くのはすごくいい。

小野さんは。支払った60万円が現在も返金されていないといいます。

小野さん(仮名70代):
どっちかというと狙われるのは高齢者だから。若い子が来るとちょっと怖い。

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