自民党「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」の初会合で発言する高市早苗調査会長(中央)。右は小野寺政調会長(21日、党本部)

自民党は21日、新設の党政調「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」(高市早苗調査会長)の初会合を開いた。高市氏はSNSを通じた闇バイト強盗対策を優先的に議論し、12月上旬にも政府に提言する考えを示した。

調査会は主に①闇バイト②インターネット上での世論工作「サイバープロパガンダ」③偽情報④化学・生物・放射性物質・核・爆発物に関わる災害――への対策を議題にする。

高市氏はこの4点を挙げて「国民をいかに守っていくか、様々な課題について検討を進めたい」と訴えた。

調査会は小野寺五典政調会長が高市氏に会長就任を打診し既存の「治安・テロ対策調査会」を再編する形で設けた。元警察官僚の葉梨康弘元法相が会長代理、総務省出身の佐藤啓参院議員が会議を取り仕切る事務局長に就く。

自民党は10月の衆院選でSNSを使って集散する「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」による強盗事件を受けた対策を掲げた。「国民にとって治安上の大きな脅威となっている」と指摘し、戦略的な実態解明・取り締まりを強化すると強調した。

政府は防犯カメラや防犯性能の高いドアの整備など防犯対策を月内にまとめる経済対策に盛り込む。

21日の調査会会合では法的措置が必要かを含めて検討すべきだとの意見が出た。犯行に使われる「シグナル」のような秘匿性の高い通信アプリなどへの対応も議論になった。

闇バイト以外の3点については年明けから本格的な議論を進める方針だ。

生成AI(人工知能)を悪用したディープフェイクは技術が高くなっている。詐欺にとどまらず災害発生時の対処や選挙結果に影響する懸念が出ている。

高市氏は「民主主義に関わる問題なので国内外問わず偽情報の対応を考えていく」と語った。党のサイバーセキュリティ対策本部長や科学技術相としての経験も対策立案に生かす。

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