2019年に焼失した首里城の復興をPRしようと、県は24日、那覇市のイオン那覇店でトークイベント「首里城復興おでかけ講座」を開いた。琉球歴史研究家の上里隆史さんと首里城宮大工の総棟梁(とうりょう)を務める山本信幸さんが登壇し、再建への機運を盛り上げた。
上里さんは歴史と再建後の建物について解説。首里城は14世紀ごろに創建され、17世紀までは板の屋根だったと紹介した。戦前まで小学校や女学校の実業学校の校舎として使われ、戦後は跡地に琉球大学が開校したこともあった。「復元工事が進む首里城は(焼失前の)前回とは全く違う、バージョンアップした建物になる。新しく見つかった資料で、建物の色が正確になっている」と話した。
首里城の復元に取り組むのは2度目となる山本さんは、古写真などを参考に忠実に再現することが重要との認識を示した。「古写真も技術で鮮明に解析できるようになってきており、かなり18世紀の頃の建物を再現できている。今度の復元で、沖縄の伝統建築を支えてくれる人材ができつつある」と語った。
トークイベントの後には、宮大工の指導を受けて「かんながけ」の体験会や首里城復元の木材の端材を使ったスマホスタンド製作のワークショップもあった。県は首里城復興の啓発に力を入れ、本年度に商業施設4カ所、小中高校4カ所でイベントを行う予定。
(社会部・塩入雄一郎)
(写図説明)首里城復興をPRするトークイベントに登壇した山本信幸さん(右から2人目)と上里隆史さん(左)=24日、那覇市・イオン那覇店
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首里城が焼失して3年。あの時、沖縄タイムスで事件・事故を取材する社会部の警察担当記者(通称・サツ担)2人は沖縄のシンボル焼失を目の当たりにした。泣き崩れる住民、消火活動に奔走する消防隊員、原因究明に尽力する捜査員―。当時の取材メモを読み直し、写真とともにあの日を振り返る。
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