兵庫県加古川市で17年前、小学2年の女児(当時7歳)を刃物で殺害した疑いが強まったとして、兵庫県警は無職の勝田州彦(くにひこ)容疑者(45)について、殺人容疑で27日に再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材で明らかになった。勝田容疑者は20年前に別の女児を殺害した罪で無期懲役が確定しており、女児を狙った連続殺人事件に発展することになった。
兵庫県内ではたつの市の路上で2006年、9歳だった小学4年の女児が刃物で刺されて重傷を負う事件が発生。翌07年に加古川市の事件が起きていた。両事件とも物的証拠に乏しく、長期にわたり未解決となっていた。
一方、勝田容疑者は04年に岡山県津山市で、小学3年の女児(当時9歳)を殺害した罪に問われ、無期懲役で服役していた。この事件でも容疑者逮捕まで14年がかかっていた。
捜査関係者によると、兵庫県警は県内の2事件と岡山の計3事件について、いずれも女児を狙って刃物を使っており、手口が似ている点に着目。今年5月から服役中の勝田容疑者への任意聴取を始め、県内2事件への関与を示唆する供述が得られた。説明が現場の状況などと矛盾しないことから、信用性があるとみている。
裏付けを慎重に進めてきた県警は7日、たつの市の事件で勝田容疑者を殺人未遂の疑いで逮捕。容疑者は逮捕後に「女の子を刃物で刺した」と供述したうえで「殺すつもりはなかった」と殺意を否認。任意聴取の段階では「好みの女児を物色していた。防犯カメラのない場所を選んだ」との趣旨の供述をしたとされる。
その後の捜査で、加古川市の事件にも関与した疑いも強まったとして、県警は勾留期限となる27日に再逮捕する。07年10月16日、加古川市の路上で7歳だった女児を刃物で突き刺して殺害した疑いが持たれている。
この女児は当時、外出先から帰宅したところだった。自宅脇に自転車を止め、玄関に入るまでのわずかな時間で襲われた可能性が高い。
勝田容疑者は15年にも兵庫県姫路市で、女子中学生に対する殺人未遂事件を起こして懲役10年の有罪判決を受けており、女児らを標的にした事件を繰り返してきたとされている。【柴山雄太、木山友里亜】
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